学生時代より異文化に触れ、複数回の留学経験をし、今まで50カ国以上を旅して来ました。大学卒業後、大手企業に就職し、多くの日本在住の外国人クライアントを担当させて頂きました。異国の地で生きることの大変さを耳にする度に、自分の海外経験と照らし合わせながら、異文化を体験した者の感じることは、誰でも同じなのだと思うようになりました。
行き着いたところに、二つの答えが見えました。一つ目は、やはり言葉の壁でした。言葉があれば、共に喜びを分かち合い、痛みを分け合うことが出来ます。他者との繋がりが増えれば増える程、人生は豊かなものだと感じることが出来ます。この言葉の壁を乗り越えることが出来れば、勇気を持って、その地で生きることが出来る。その勇気を与えるために、私が出来ることは何か?と思い始めました。
二つ目は、その国についての知識です。自分とは異なる考え方や価値観を持つ他人。そして、母国ではない国でのルールや常識を受け入れることは、簡単ではありません。しかし、その違いを「良い」「悪い」と判断してしまうのではなく、正しい知識を持ち合わせていれば、自分の中で違いを吸収し、より多角的な視点を培うことが出来ます。日本人の私が、日本人として出来ることはないだろうか?と悩みました。
日々仕事に邁進する中で、多文化共生社会の実現に向けて、私が出来ることは何だろう?と真剣に考えるようになりました。そして、大手企業を退職し、日本語教師になる決意を固め、日本語教師の資格を取得しました。人に教える立場になる訳ですので、確かな知識と情報の為に資格取得は必要不可欠だと思ったからです。毎回、授業の為に時間をかけ、準備をすることも教師としては当然のことだと思います。
日本語教師は、私の天職です。一人一人の生徒に向き合い、寄り添いながら、これからもこの天職を全うしていきたいと思っています。